J-BOYの頃の、浜田省吾のコンサートパンフレットに載っていたエッセイです。

男親は、息子にとっては、いつかは反抗するべき敵になり、
そして息子が本当のオトナになった時に初めてわかってもらえる・・・っていう存在なのかもしれないですね。

その“敵の時代”は15年くらいでしょうか?
長くて辛い15年ですよね…。

今は、『何も心配しないでいいよ』なんて言われたら、寂しくて泣いちゃうかも知れないですが(笑)。





父さん、昨夜夢をみたよ。
家族が昔のように一緒に暮らしてる夢だ。
夢の中には、兄弟3人にひとつづつ部屋があるんだ。
その家を持つことができて、父さんはとても得意気だったよ。
16歳の時から働きはじめた父さんの夢といったら、
おれ達のために家を建てることだったもんね。
おれ達いつも転勤の度に借りたちっぽけなアパート暮らしで、
重なるみたいに暮らしてたものね。
65歳の時、やっと田舎に小さな家を持つことができたけど、
その時はもうばらばらだった。
病気のお袋の世話もその年でするのは大変だったろう。
それ以上にお袋も辛かっただろう。
時々、男と女、そして夫婦って何だと思うよ。
若い頃の俺といったら、
“親父と同じような人生は送りたくない”が口癖のようだった。
金や美しい女を追いかけてRock’n Rollのバンドをはじめた。
そして、今も九州の高速道路をバスに揺られて走っている。
おれは33歳になった。
父さんがあの苦しい時代を生き抜き、
おれ達子供を育てたことがどういうことなのかわかるようになった。
父さん、何も心配しないでいいよ。
子供達はうまくやってゆく。
父さん達に負けないようにね。





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